権威には従う

以前、何人かの日本にいるインド人営業社員から電話がありました。それは、上司からの売り上げのプレッシャーを受けての電話だったことはすぐわかりました。「このサービスのニーズはないですか?」や「今、案件はないですか?」など、ストレートな営業トークだったからです。

またこのケースでは、「最近忙しいですか?」や「暖かくなってきましたね。」などという前置きの会話が少ないのも特徴のひとつです。とにかく売上げを上げたいという気持ちがひしひしと伝わってきます。このあたりは、インド人は素直で、うそをつけないんです。思考、行動の芯が自分の収入増、すなわち営業担当者の場合は売上げアップという点で一貫していますから、行動のパターンがわかりやすいんです。

電話をかけてきた意図はわかりますけど、やはり買えないものは買えないので、そう言うしかありません。すると、すぐ次の人に移らないといけないので、あっさり話は終わります。インド人の営業は、しつこさはさほどありません。

インド人は、基本的に理詰めで考えるのですが、上司からプレッシャーを受けたような時は、理屈抜きになる傾向があります。上司の命令には、絶対なのです。日本の営業は根性論になりがちだと言われてきましたが、こうしたケースでは
インドにもやや似たところがあるようです。

今回のような電話かけてきたインド人に少し突っ込んで話を聞くと、その上司もそのまた上司からプレッシャーを受けているようです。上司も同じように、その上の上司の命令には最優先で対応しますから。インド企業はトップダウンであり、トップの意向が下に伝わるまでのスピードはかなり速い組織なのです。

このように権威にはオーバーと思えるほど従うのが、インド人です。でも、こうした雰囲気を嫌い、自由な雰囲気を求める若者も多く、彼らはIT業界などに入り、アメリカなど海外に出ようとするのです。

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