インド人経営者

インド経済が発展していく中で、インドの企業経営者の優秀さがよく語られます。実際インドの中堅以上の社長の多くは、若い頃に欧米に留学経験があり、グローバル・マインドにあふれ、人脈も豊富で、かなり優秀です。

一方で、インド企業には問題もあります。それは、インドのサラリーマンは、とにかく(自分の処遇を決める)上司を向いて仕事をし過ぎていることです。

インド企業では、多くが上司にお伺いを立ててからでないと返事ができません。ですので、物事を決めるのに時間がかかるのです。トップの経営判断は速いのですが...。

以前、私がその日本事業を支援しているインド企業の子会社トップが来日し、東京で一緒に営業活動を行いました。来日したインド人トップは、親会社のオーナーが前任者を降格させた上で米大手企業から引き抜いて連れてきた人です。

彼は理論は良いのですが、日本企業との面会では、「当社が提供するサービスは御社に付加価値を与え、収益の向上に寄与するものである」という、思いっきり直球勝負の売り込みに終始し、一気にまくし立てていきました。言ってることは間違いないのですが、要は「買って下さい」ということばかりですので、受け手の日本企業の側には、やや引き気味の雰囲気がありました。

会議の後私はそのインド企業トップに、先にこっちから何かGIVEして、その後TAKEするような方法論の方が日本では受け入れられやすい、と話しました。彼は自分の考えを主張しつつも、日本でのやり方についてもわかってくれたようでした。そのインド企業の日本支店勤務のインド人社員も、私と同じ意見のようでしたが、自社のトップには意見しずらいようでした。

インドでは営業は基本直球勝負なのですが、今後は改良もして行かなければならないでしょう。日本企業の経営者にとっては、インド企業の経営者から学ぶことは多いのですが、インドの企業は日本企業のボトムアップ力、現場力などについて学び、取り入れていくことも必要となってくるでしょう。

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