他宗教に寛容

クリスマスが近づくと、インド人から多くのクリスマスカードが届きます。ヒンドゥー教というのは、他の宗教の行事にも寛容なのです。

この辺の感覚は、日本人とも通じると感じます。日本の七福神のうち6人は外国の神様で、内3人(大黒天、毘沙門天、弁財天)はヒンドゥーの神様です。また結婚式は教会でキリスト教式にあげますし、初詣では神道、葬式は仏教といった具合です。

チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世も、2008年の国際テロ対策会議でインドの世俗的価値観を高く評価し、「この国の宗教に対する寛容さは世界の国々への模範となる」と述べています。

インドでは、ヒンドゥー教、仏教、ジャイナ教、シーク教など、いろいろな宗教が生まれており、インドは宗教的寛容性の伝統を持っているのです。

インドにおける宗教の寛容性を表しているものとして、エローラの石窟があります。エローラ石窟は、5世紀から10世紀の間に造られた仏教、ヒンドゥー教、ジャイナ教の石窟寺院などから構成されています。それぞれの宗教の寺院は近接しており、作られた時期も重なっていることは、インドにおける宗教の寛容性を表している、と言われています。

ヒンドゥー教は、基本的に他の宗教を敵対視していませんし、他宗教の人にヒンドゥーへの改宗を勧めたりもしてきませんでした。このことは、平和主義的で温和なインド人気質につながっているのでしょう。

そしてインド人は、他宗教へと同様自身の宗教にも寛容です。先日会ったシーク教徒のインド人ですが、彼にはアメリカ留学中の高校生がいます。そのお子さんは、アメリカでは牛肉を食べていると言っていました。

もちろんヒンドゥーの教えに厳格なインド人の方が多いのですが、このあたりのインド人の鷹揚な感覚は、日本人にとっても付き合いやすいものです。

話をインド人からのクリスマスカードに戻すと、中にあるメッセージには、必ず「あなた、あなたの家族や友達皆が、楽しいクリスマスと、幸せで明るい新年を迎えられるように願っております」といった暖かい言葉が添えられています。

インド人からは正月のメッセージなどもメールでよくくれます。そういうのを受け取る度に、私ももっと暖かいメッセージを入れてあげるようにしようと思わされます。

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