インド社会は型どおりではない

インドはもちろん法治国家で、ものごとは法に基づいて処理されます。また、インドは欧米の商習慣に基づいた契約社会であると一般に言われています。

しかし一方で、インドはネットワーク社会であり、インド人は自身のネットワークを活用して仕事をします。このことは、個人的なつながりの深さによって、得られる情報や対応に大きな差がでることを意味します。

これは、日本企業とインド企業の関係においても言えることで、お互いに実績を積み、信頼関係が生まれてくると、こちらの要望に柔軟に対応してくれるようになり、契約外の細かけど重要なことも言わなくてもやってくれるようになります。そうなるために我々は、長く付き合う中でお互いの信頼を深め、担当者同士で良い人間関係を築くようにしなければなりません。

私がインド人に「こういう人に聞いてみて下さい」という時は、そういう人間関係を利用した、表面的でない情報や、特別なサービスも期待しているのです。このことは、日本人がインドの現場で、正面玄関から情報収集していては得られない部分になります。

また、日本人がウェブサイトにあるコンタクトメールを出したり、電話してもなかなかつながらなかったり、返事が来なかったりするのはよくあることです。しかしこうした相手でも、知り合いのインド人にコンタクトをお願いしたらすぐに連絡が取れることもよくあります。ですので、インド事業を行う場合、こちらの意を汲んだインド人を前面に立てて交渉に当たるというのが有効なのです。

要は、インドでビジネスには、至る所で裏で特別なサービスがあるという前提で考えたほうが良いでしょう。ですので、インド人同士のそういうネットワークの中に入るよう、多くのインド人と知り合い、良い関係を築いて、彼らのネットワークを利用できるように持って行くことです。

もちろん、ネットワークやスキルのないインド人も多くいて、インド人なら誰でも良いという訳ではありません。優秀なインド人は有益なネットワークを持っているし、そうでないインド人はそれなりのネットワークしかありません。その見分け方は、小さな仕事を出してみれば、すぐにわかります。

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